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2014年3月26日水曜日

割と知られてない気がしたコト:射程と命中精度を伸ばすための工夫 

フォークランド紛争を踏まえて尖閣諸島問題をどう見るかという記事を書いていたのですが
どうも詰まったので英国面とは違うちょと違った事を書きましょう


さて、現代の戦争で使われる兵器は大きく3つに分けられます
まずは歩兵の持つ銃。長射程と投射火力と間接射撃能力を持ち合わせた「砲」
それ以外の機械化戦力の3つです。

機械化戦力は別として、砲と銃という奴は数百年前からあります。
1300年代には砲はあったそうで、銃もまたその頃には基礎となるものがあったようです

しかし、現在のように槍や剣などに対して絶対的に優位な性能があったわけでは有りません。

今回はそのためにどのような手段でその優位な性能を手に入れたかというお話です


銃と砲の始まり

銃と砲の始まりは火薬なしには起こりません。
千年以上前から中国では黒色火薬が発明されており、
日本人が始めて火薬を用いた兵器に遭遇したのは「元寇」の時

所謂「てつはう」と呼ばれる手榴弾、のちの時代の擲弾に近いものでした
松浦市鷹島町で発見された「てつはう」の実物。
これにより、江戸時代に作られた創作という説が否定された
最初の銃などと言うものは無く、「砲」と「銃」の境が曖昧なのでその辺りの歴史は省きまして

ある程度銃の形が固まってきた頃、ちょうど日本に火縄銃が入ってきた頃まで飛ばします

日本ではあまり使われない言葉ですが、火縄銃を含む前方から弾を込める銃を総称して
「マスケット」と呼びます。
火縄≒マッチを固定するマスケットなので火縄銃は「マッチロックマスケット」と呼びます


この頃の銃は真っ直ぐ飛ぶというモノでは有りませんでした
現在のライフルは条件にもよりますが500-800mくらいでも上手く撃てば当たりますが、

マスケットは50-100m先でも上手く撃っても命中の可能性がある場所の何処に飛んでくか分かりません。
これは、ガス圧に押された銃弾が筒の内側の色んな所にぶつかりながら外に出ていくためです


この「真っ直ぐ飛ばない上どこに飛んで行くか分からない」というのを改善するために
「ライフル」という考え方が生まれました
英国製の戦車砲の砲身。螺旋状に刻まれているのが「ライフリング」
(因みにライフリングつき戦車砲は時代遅れ使いされることも)

筒に螺旋状の刻みを入れて、銃弾を回転させることで銃弾の飛行姿勢を安定させるという発想です
因みに、ライフルにはそれまでの球体の銃弾ではなく、「ドングリ型」とも呼ばれる新型の専用弾が使われました
どんぐり型の「ミニエー弾」 初期のライフルで使われた弾丸である

この弾丸の下にある溝は発車することで火薬の燃焼による空気圧を受けて外側に曲がり、
曲がった溝は筒に刻まれたライフリングに挟まって銃弾を回転させながら進んでいきます


ライフルの登場で銃の射程は3倍以上に一気に伸びて戦場の様子自体が変わり始めます
(実際はライフルが開発されてから、運用するドクトリンが登場するまで酷い有様だったらしいですけどそれは別の話)




このライフルの考え方は大砲にも取り入れられました。
が、この話はまた次回。
「榴弾砲と間接射撃」に持ち越しです。


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