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2014年3月30日日曜日

非正規兵と正規兵の装備の違い:榴弾砲と迫撃砲1

さて、前回は間接射撃についての解説でしたが
今回は実際に間接射撃を行う砲に関しての解説です

榴弾砲の歴史は、その名の通り榴弾が開発された辺りが始まりでしょう

現在の榴弾砲はそれまでの大砲の種類として、
「野砲」「カノン砲」という種別の大砲の役割を吸収しました。

野砲は、車輪を装着した大砲です
フランスの12ポンド野砲
間接射撃が可能になる時代の前の野砲です

帝国陸軍 九〇式野砲
間接射撃が可能な時代の野砲は榴弾砲との違いが少ない


野砲は大砲が登場してすぐからあったといえるもので、いつ誕生したのかもよく分かりません
「車輪が装着されていて、移動が簡単」という特徴さえあれば(日露戦争までは)
全部野砲に分類しても問題ないかと思います
日露戦争後はこれに「高い角度での射撃ができない」というのが加わります

車輪を装着したのには移動を簡単にする他にとある理由がありました
車輪でない方法で地面と接し、地面に大砲を固定してしまうと反動がうまく吸収できず、
大砲が破損してしまう可能性があったのです

実際の射撃動画。発射した時に砲全体が後退していることが分かる

車輪によって後退したら同じ所まで押して戻して、再度大砲の位置を調整して狙いを付ける必要があります。
これでは射撃速度も落ちて、何度か射撃しながら砲の向きを微調整しながら撃つなんて事ができないので、これを解決するために「駐退機」が生まれました

米軍のM777榴弾砲 砲全体は後退せず、砲身だけ後退しているのが分かる

駐退機は油圧を用いることで砲身だけを後退させ、砲全体を後退させないことで
継続して高い頻度での射撃と正確な砲撃を可能にしました


次にカノン砲と言うやつは、正直分類がはっきりしておらず、
先述した野砲と被る部分もあるので色々と省きますが。

榴弾砲と比較して低い角度で射撃し、砲弾がより高速で、かつ短射程
といった感じです。
因みに野砲もカノン砲も現在運用されているものは殆ど無く、
その役割のほとんどが榴弾砲と迫撃砲に吸収されてしまいました
(名前が榴弾砲になっただけで実際はかつての野砲やカノン砲と変わらない なんて理由もありますが)

いくつかの発展途上国では未だに野砲が使われているらしく、
北朝鮮において、1940年代のソ連製野砲「ZiS-3」を最近でも使っていることが確認されています。
北朝鮮軍のZiS-3 ソ連の名作野砲ではあるが今年で72歳になる。
(この画像は合成らしいのですが、配備運用されているのは事実のようです)

次は榴弾砲です

先述した通り、榴弾砲は「野砲」と「カノン砲」を吸収した役割を持っており、
主に間接射撃を行い、カノン砲より長射程で30kmほどの射程を持ち、
運用するためには専門知識が要求されます
(この動画、非常に揺れます 注意してください)
自衛隊のFH-70榴弾砲の空砲射撃。
射撃準備が終わるまでに2分程かかっている
実際は弾薬を運んできたりして最低でも5分程かかると思われる
撤収にも5分ほどかかると思われる

その他の特徴として、「野砲に比べて射撃準備に時間が掛かる」という特徴があります。
「足」を展開するために準備時間と撤収時間が長くなるのですが、
「対砲兵レーダー」なるものが開発されてしまった現代において、
砲撃した後その場に留まり続けることは敵の反撃を受ける可能性が高まることを意味しています
(対砲兵レーダーとは、レーダーで砲弾の速度と軌道を捉えて記録し、
弾道学に基づいて計算することで敵が砲弾を発射した地点を予測する装置)


このため「撃って直ぐ逃げる」という事が要求されることもあるので、
榴弾砲を車両に乗せて直ぐ逃げられる「自走砲」なるものも在るわけです
米軍のM109自走砲 扉を開ける必要があるくらいで、
移動と射撃の前に準備は必要ない

運用、射撃、観測、補給、その他もろもろが大規模になってしまう榴弾砲に対して、
非正規軍でも運用しやすい砲があります。それが「迫撃砲」です…が、これはまた次回


(迫撃砲の話するために俺は何を長々と書いているのやら)

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