このブログは記事の区切りがつく度投稿しているので、最初から読む場合は投稿日順

つまり古い順に読むことをおすすめします


左にあるラベル毎に続き物の話をまとめています

2014年3月5日水曜日

ソビエト・ロシア海軍の苦悩 「あの海峡を超えよ」

さて、イスタンブールというか、ボスポラス海峡によって黒海から出る自由がない
ロシア帝国軍黒海艦隊。

最も、バルト海の主として周辺国に恐れられ、当時世界最強の海軍を保有していたイギリスですら
警戒していたバルチック艦隊が極東まで行ってボコボコにされ、
完敗に近い状態で終了し、艦隊壊滅という状態になったため、
ロシア海軍の士気はガタ落ち、戦艦も海軍総数の半数近くを失うという事態になってしまい
帝政ロシア海軍主力艦隊には中々動けない黒海に戦艦を置いておくよりはバルト海に配備していたというのもあり、
そもそも動かす艦船があまり残ってなったのですけれども。


オスマン帝国も一次大戦の講和条約によって国家全体が解体され、
国家主権を失い、連合国によって分割占領されオスマン帝国が解体されました

その後、(調子に乗った元連合国の)ギリシャがトルコ国内に侵攻し
トルコの国民を中心とした武装抵抗運動が発生し、それが更に組織立った抵抗になり
アンカラ政府が誕生、ギリシャと交戦状態に入ることによって希土戦争が発生、
この戦争にトルコは勝利し、1923年、現在のトルコ共和国が成立します。

トルコ共和国が成立したことによって現在のトルコの国土のほぼすべてが連合国から返還され、
国家主権を回復した…のですが
商船から通行税を取ることを禁じられた上、ボスポラス海峡での海峡地帯での非武装、
つまりロシア軍、もといソ連海軍艦艇を無条件で通すように要求されたのです

普通に考えて、ロシアに対するボスポラスという場所の優位と通行税は大きな利点となるはずで
そんな要求認められるわけ無いのですが
国力も低下し軍事的にも疲弊していた当時のトルコには認めざるを得ませんでした

当然、トルコはこの条約を不服に思い1936年、改正を要求。
この結果、新たな条約、「モントルー条約」が誕生します

これは、ボスポラス海峡における商船の通過を無条件に認める反面、
軍艦の通過を制限するものでした

「航空機の海峡上空の通過制限」
「20.3cm以上の砲を搭載した軍艦は通過できない」
「主力艦は同時に1隻まで、護衛は2隻まで」
「航空母艦の通過禁止」
「その他の軍艦は同時に10隻、総排水量1万5000トンまでしか通過できない」など

20.3cm以上のーに関しては
ワシントン海軍軍縮条約で20.3cm以上の砲を搭載した艦船を戦艦と規定したため、
実質戦艦の通過禁止です。
最も、日露戦争でボコボコにされ海軍自体が弱体化した挙句、
ロシア革命後は陸軍に偏った拡張を続け、
大戦中は爆撃魔王に沈められたり海軍に予算が降りなかったりで
結局、大戦後になるまで録に戦艦を作れなかったんですけども。

戦前のソビエトには空母は居ませんから、この場合の主力艦とは何を示すのでしょうか
大日本帝国海軍では空母と戦艦が主力艦とされています。

方や海軍国、方や陸軍国ですから、考え方が違うのかもしれませんけど

また、「航空母艦の通過禁止」に関してもちょっと変な点があります
戦前のソ連は空母を持っていませんが、
戦後のソ連と、現在のロシア海軍は空母「アドミラル・クズネツォフ」を持っていますし、
就役当初は黒海艦隊で運用していました
何故黒海から出れないのに黒海に配備していたのか。

いえ、出れるんです。何故なら「アドミラル・クズネツォフ」は空母ではないから
空母ではないらしい「アドミラル・クズネツォフ」

「あれは、キエフ級巡洋艦の方針を受け継いだ『重航空巡洋艦』だ」と言い張ったのです
なんだかんだあってアメリカもトルコもこの主張を認めてしまいます
『重航空巡洋艦』キエフ級
以前にキエフ級が登場した際、アメリカやトルコは非難していましたが
「アレは対艦ミサイルを積んでいるかられっきとした巡洋艦だ」という感じで押し通され、
既成事実を作り上げてしまいます。
「アドミラル・クズネツォフ」の時はそもそも非難すらしませんでした。
「アドミラル・クズネツォフ」にも対艦ミサイルが搭載されていましたから。

因みに、キエフ級巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」は現在ロシアからインドに売却され、
「ヴィクラマーディティヤ」という名前を与えられ、空母に改装されています

インド空母「ヴィクラマーディティヤ」
今は対艦ミサイルを積んでいないので、確かに巡洋艦ではないのかもしれません



今回はここまで。なんか終りが見えないし結論を付けれる気がしなくなってきた
というかクリミア半島の話は何処行ったのやら
クリミアの戦略的重要性は黒海とロシア海軍、ソ連海軍を語らずには理解できないけども、
ここまで伸びるとは思わなんだ

まあいいや、次回は未定!


0.1Monaでもいいので寄付していただけると、記事を書き続ける原動力になります
寄付:MSmPH9ptv8Vp8N3JMjFCgQ25ucXv3xKTAo

0 件のコメント:

コメントを投稿