迫撃砲の中でも「スピガットモーター」と呼ばれる分類があります。
日本語で「差し込み式迫撃砲」といった感じです
典型的な「スピガットモーター」 砲口よりも弾頭が太いのが特徴 |
普通の迫撃砲よりも弾頭が重く、速射性に乏しいため2次大戦頃には使い方が限定され始め、
いくつかの派生型を残して二次大戦後にはほぼ無くなってしまったわけです
その派生というのの一つが、「対潜迫撃砲」
対潜迫撃砲の代表的存在 英国の「ヘッジホッグ」 |
ロシア軍では現在でも対潜迫撃砲を搭載しているようです
もう一つは、「ライフルグレネード」
M1ガーランドに22mライフルグレネードを装填 |
現代でも使われており、自衛隊は2006年に新たなライフルグレネードを採用しています
HEATの開発によって携行型対戦車兵器が進歩してきたころ
(HEATの解説は長くなるのでまた今度しましょう)
アメリカはバズーカ、ドイツはパンツァーシュレックとパンツァーファウストを開発して
歩兵による対戦車攻撃が今まで以上に容易になりました
M1バズーカ 本来「バズーカ」と呼ばれるのはこの兵器の派生型のみ |
上がパンツァーファウスト 下がパンツァーシュレック |
これらは、「HEAT」という仕組みを持った榴弾を敵戦車にぶつけるためのものですが、
英国でも同じように歩兵が戦車を攻撃できる兵器を作りました
それが「PIAT」である
PIAT |
PIATはスピガットモーター。迫撃砲なのだ
また、PIAT最大の特徴としては発射装薬を最小限に抑えるため、
弾体を発射するために「バネ」を用いていることにある
そう。バネを使用している。
別に閉鎖機構がどうとかファイアリングピンがどうとか言うわけではない。
純粋に、そして単純明快に「弾を発射するために」バネを使うバネ砲なのだ
砲身の中が見える状態のもの 巨大なバネが詰まっていることが分かる |
この機構を採用したことによって、
他の対戦車兵器では出来なかった「室内からの射撃」を可能にしています
B-10無反動砲を室内で射撃。SPGは室内射撃可能だが部屋が真っ白になる
ロケットランチャーや無反動砲は砲の後方に排気するため、この排気の熱で火傷したり、
衝撃で気絶したりすることがあるのです
後方確認せずにRPG-7を撃つとこうなる
それに比べてPIATは迫撃砲なので後方への排気もなく、
主にバネが使われるので煙も出ないので場所がバレにくいという利点がありました。
最も、建物の二階から撃とうとPIATを下に傾けると弾体が落ちますが。
射程は大体100m この頃の対戦車兵器としては十分なものだと思われます
因みに、最初使うときには必ずバネを縮める必要があったのですが、
バネを縮める際に背骨を痛める兵も多かったとか…
次回は、面白い作品を見つけたので対戦車兵器の進化とHEATの話でもしましょう。
お楽しみに。ハハッ
Monacoin:MSmPH9ptv8Vp8N3JMjFCgQ25ucXv3xKTAo
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